電力小売り企業向け
システム
構築支援
プロジェクト
企業向けシステム
構築支援プロジェクト
「電力の小売全面自由化(電力自由化)」により、電力会社の独占市場に異業種からの新規参入の波が押し寄せた。本プロジェクトにおけるクライアントも新たに参入した一社であり、右肩上がりの成長カーブを描いていた。企業がある一定の成長ステージに達した時、最先端のシステムによるサポートが欠かせない。成長著しい企業の新たな挑戦を支えたのは、コンサルティングから開発までを一気に担う、大和総研のスペシャリストたちだった。
プロジェクトメンバーProject Members
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事業ITコンサルティング部
コンサルティング担当成瀬 真一 -

コーポレートシステム部
プロジェクトマネージャー 兼
需要予測システム開発リーダー和田 貴広 -

コーポレートシステム部
需要予測システム開発担当藤澤 瞳 -

システムインテグレーション部
請求決済システム開発リーダー中島 健太 -

システムインテグレーション部
請求決済システム開発担当藤井 祥子 -

システムインテグレーション部
請求決済システム開発担当坂 牧子

本プロジェクトの始まりは、2018年7月。請求/料金計算システムの再構築依頼だった。過去の業務経験から電力業界に豊富な知識を持つ成瀬がコンサルタントに任命された。開発を進める前にまずは現状を把握するため、ヒアリングと業務フローの整理を行った。クライアントは数年前に小売電気事業者に登録し、高圧・低圧の電力小売事業を開始しており、順調に規模を拡大していたが、急速な成長スピードに業務のシステム化が追いつかず、手運用による作業も残るなど、業務負荷が増している状況だった。特に基幹となる請求/料金計算システムについては早急な刷新が必須であり、最優先で着手することとなった。

弊社では請求/料金計算システムを含め、大手電気通信事業者のシステムをいくつか手掛けていることに加え、電気事業者向けに各料金プランに合わせた料金シミュレーション・システムを構築した実績があります。また、コンサルティングから運用、メンテナンスまでノンストップで行う大和総研の強みもご理解いただき、請求/料金計算システムの再構築に続けて電力需要予測システムのリプレースとガス小売サービスへの請求/料金計算システム対応を同時進行で実行させていただきました。
今回のプロジェクトは単なる“システム保守切れ”による再構築ではなく、お客様が抱える本質的な課題解決に主眼を置いています。まずは第一段階の対応が完了しましたが、今後も継続的に対応していくことで、お客様の企業としての成長をサポートしたいと思います。
この請求/料金計算システムのリプレースは、開発リーダーの中島に託された。
クライアントは太陽光発電設備からスタートしており、電力小売業に至る様々な事業のシステムが混在していた。開発リーダーの中島はこれらをマージ・スリム化することを提案した。お客様と幾度もヒアリングや要件定義を重ね、緻密な設計とテストを繰り返しながら、時には30人体制でプロジェクトを進行した。途中何度かの修正、変更を経て開始から約1年後に無事サービスの公開を迎えた。

お客様は過去に他の電力会社を吸収合併したという経緯もあり、旧システムはいくつかの枝葉に分かれ、かなり複雑化していました。そこでメインとなる料金計算に合わせて整理し、スリム化することを提案しました。
ベンチャー企業ということもあり、新しいチャレンジに対する考え方が柔軟で決断も早く、開発担当としては新たな技術を用いた提案をしやすい反面、スピード感が求められます。更に大和総研としてのクオリティも妥協できません。また、お客様の要望を確実に引き出し、ニーズを的確にとらえるため、課題やソリューションをリアルタイムで共有することも重要でした。
私はお客様と接する機会が多く、業務に対する情熱や勢いを肌で感じることができました。成長する喜びを共有できることは新しい企業ならではのやりがいだと思います。
これから成長戦略を描いている会社は、人が増え業務が増えてくると、システムを有効活用して効率化を図る必要があります。今後同じような課題を抱えた企業があれば、今回の経験を活かしてサポートしたいと思っています。

請求/料金計算システムの再構築が進行する中、2019年4月に電力需要予測システムのリプレースが、2019年7月にガス小売サービスへの請求/料金計算システム対応がそれぞれスタートした。今回3件のプロジェクトを同時に進行することができた大きな要因がAWS(パブリッククラウド)の活用だ。AWSは企業によっては採用の制約があるが、今回のクライアントは元々社内で使用しており、新しい技術にも柔軟な考え方を持っていたため、最新技術の導入に積極的だった。特に電力需要予測システムには、新たな試みとして予測ロジックに機械学習サービスが採用された。
今後新たな試みとして、開発したシステムをさらに拡張し、VPP(バーチャルプラント:仮想発電所)といった新規ビジネスのサービスプラットフォームとして活用する案があがっている。エネルギーの未来に向けて、ここからさらに多くのプロジェクトが羽ばたきそうだ。

本プロジェクトでAWSを提案したのは、今後の市場拡大に伴い、お客様の事業成長を想定した柔軟なシステムが必要だと考えたからです。クラウド上でシステム構築することにより、資源管理が一元化でき、運用のコストも大幅に削減されます。またリソースの増減も簡易になるので、スピード感のあるお客様のような企業にベストマッチだったと思います。
今回私は並行する3件のプロジェクトを統括するPM(プロジェクトマネージャー)を担当しました。中でも、電力需要予測システムについては、電力の仕入れ量をより精緻に予測するため、最新技術として、AWSの機械学習サービスを活用し、従来の予測ロジックの精度を上げることができました。これらの最新技術を最大限に活用できた点はエンジニアとして非常に勉強になりました。
最先端の技術の裏には、地道にやってきた業務システムの開発経験があります。本件はこれまで我々が培ってきた業務システム開発のノウハウと、最新の技術が融合してできた非常にいい例だと思います。

私が本プロジェクトに参加したのは入社2年目で、電力需要予測システムのチームのなかでは最若手でした。本プロジェクトを通じて、主に設計書の作成やテストを担当し、AWSや機械学習サービスに触れた経験は、エンジニアとして大きな収穫でした。
また、入社以降初めて要件定義の場に参加できたことも貴重な経験でした。お客様と相対する際の姿勢や話し方、仕事の進め方など、多くの学びが得られました。要件定義に参加したことで、お客様の要望や業務内容をより深く知ることができ、設計担当の視点を越え、より高い視点でシステムをみることができるようになり、今回のプロジェクトを通じて大きく成長できたことを実感しています。