データ収集力と分析力を磨き
日本経済の未来をレポート

リサーチ部門

山口 茜Akane Yamaguchi

経済調査部
日本経済調査課(取材当時)

日本経済について自らテーマを考え
分析結果をレポート

私の仕事は、日本経済に関するテーマでレポートを執筆すること。例えば、「一億総活躍社会」というテーマから“雇用”に注目が集まりそうだと予測を立てたら、雇用についてデータを調査・分析し、レポートを書き上げていきます。レポートは大和総研のホームページに掲載され、誰でも読める情報として公開しています。個人としては平均1〜2カ月に1本ほどのペースで執筆していきます。また、課のメンバー全員で年に一度日本経済の10年予測のレポートも作成します。金融政策、社会保障、成長戦略など、それぞれの分野の専門家である先輩たちから知識を吸収するとともに、普段の何気ない会話から自分が担当するレポートのテーマのヒントも探っています。

広い枠の中から多くの人の役に立つテーマを探る

私たちが作成するレポートは、日本経済に関することであればある意味「自由に」執筆することができます。だからこそ、世の中のニーズをとらえ、どのような情報・分析結果を発信すれば社会の役に立つのか、すべて自分で考えてテーマを設定していく必要があります。仕事をする中で、迷ったときはいつも、入社前に聞いた調査本部長の言葉を思い出します。「複雑化する世の中で、今起きていることを理解することは難しい。将来、起きることを予測することはもっと難しい。しかし、そこに明かりを灯すのが我々シンクタンクの役割だ」。誰かがよい判断を下すための材料となり、新しい行動を起こすきっかけとなるような、質の高い分析・提言ができるよう、日々悩みながら研鑽を積んでいます。

執筆したレポートで世の中に
大きなインパクトを与えられる

はじめて単独で執筆したレポートのテーマは、「25歳から44歳の男性の就業率の低下と地域間格差の拡大」について。近年、雇用の面で女性や高齢者の活躍が注目されている中、男性のデータはどうなっているのだろう?という疑問が湧いたことがきっかけで調べはじめました。すると、本来働き盛りとされている男性の就業率が下がっていることが判明。さらに都道府県別のデータを詳しく見てみると、地域間格差も広がり続けていたのです。これまで光の当てられてこなかった男性の雇用の現状と日本経済の課題を浮き彫りにしたことで、インターネットTVへの出演をはじめ、様々なメディアから取材を受けるなど、大きな反響を得ることができました。特定の顧客から依頼を受けて動かす仕事ではない分、自分でレポートの内容を決めていく難しさはありますが、多くの人の興味を引きつける分析ができた時には、世の中に大きなインパクトを与えることができるのです。自分の考えたテーマについて分析した結果を世の中へ発信する、というやりがいは大きいですし、結果として日本経済に対してすこしでも好影響を与えられればと思っています。

専門分野を複数つくる

現在、入社2年目。データの扱いには慣れてきましたが、まだまだ知識も分析力もこれから。先輩たちのように「この分野と言えば、大和総研の山口さんに聞けばいい」と言われるほどの専門分野をつくることがこれからの目標です。しかも、複雑に絡み合う経済の世界ではひとつの分野に特化しても社会の未来は見えないため、複数の専門分野が必要だと考えています。その上、経済は多くの要素が絡み合って動いているため、土台となる幅広い知識も欠かせません。他にも、アンテナを張り続けて得たデータの分析には、現実の経済だけでなく学術的な知識も必要です。学ぶべきことは多いですが、専門家である先輩たちに囲まれた今の環境を生かして、成長し続けていきたいと思っています。

学生へのメッセージMessage

私自身、仕事内容や先輩社員に惹かれて入社を決めましたが、入社前は当社にこれほど広いフィールドがあることは想像していませんでした。就職活動だけで、その会社のすべてを知ることは難しいですから、悩んだり迷ったりすることもあるかと思います。冷静な判断も必要ですが、「この会社に入りたい」「この仕事をやりたい」という想いや、時には勘を頼ってみてはいかがでしょうか。想像以上に魅力的な会社を見つけられるかもしれませんよ。

1日のスケジュールSchedule

  • 08:20

    出社

    メールやスケジュール、ニュースサイトなどをチェックします。

  • 09:00

    打ち合わせ

    日本経済の中期予測について課内で打ち合わせをします。

  • 10:00

    執筆

    自分で設定したテーマについてのレポートを執筆します。

  • 11:20

    ランチ

    上司や同僚と八重洲界隈でランチ。

  • 12:20

    執筆

    引き続きテーマレポートを執筆。

  • 15:00

    先輩の執筆した
    レポートの確認

    執筆したレポートは課内の全員が読み、意見交換します。

  • 16:00

    セミナー参加

    外部セミナーに参加して情報収集。

  • 17:10

    退社

    翌日以降の予定を確認し、やるべきことをメモして退社。

キャリアステップCareer Step

  • 1年目

    経済調査部日本経済調査課に配属。日本経済について幅広くレポートを執筆。

  • 2年目

    引き続き同部署に所属し、専門的な知識を持つ先輩から多くを学びながら成長中。